試合開始直後、宮田(左)に左ヒザをブチ込む山本“KID”

HERO’S2006

跳びヒザ一発!KID4秒殺

 HERO’S2006が3日、東京・渋谷区の国立代々木競技場で行われ山本“KID”徳郁(29=KILLER BEE)が今年初めてリングに登場。


 開始わずか4秒で左跳びひざ蹴りを決め、元レスリング五輪代表の宮田和幸(30=フリー)を瞬殺した。


 また、ミスターPRIDEと呼ばれる桜庭和志(36=フリー)がリングに姿を現し、電撃参戦を表明した。

 その目は獲物を狙う動物そのものだった。ゴングと同時に猛ダッシュした山本KIDは、タックルを狙った宮田にジャンピングキック。左ひざを完ぺきに顔面にヒットさせ大の字にさせると、右パンチでトドメ。宮田は失神し、そのまま病院に運ばれた。わずか4秒。


 神の子も「ヤバイ。かっこよすぎる」と酔いしれた神業に1万人以上が詰めかけた会場もどよめくしかなかった。

 「あれで当たらなくてもプレッシャーにはなると思った。でも、決めるつもりでいた。ちょっと歴史に名前を刻んだかな。凄いうれしい」。前日会見では「おもいっきりいくだけ」と話していた山本だが、しっかりと作戦を立てていた。体格では身長で9センチ、体重で5・2キロも宮田に劣る。しかも勝手を知ったレスリング出身者同士。まともにタックルを食らえばやられる可能性もある。だが「タックルで来るのは分かっていた。跳べば相手の前から消えることになると思った。ジャンプ力と瞬発力は誰にも負けないからね」とレスラーの本能を逆手に取り、見事に瞬殺劇を演じてみせた。

 昨年のミドル級世界最強王者決定トーナメントで初優勝し、追いかけられる立場になった。しかし、この日は「常に挑戦する気持ちがオレにはある。チャンピオンの誇りはあるけどそれだけじゃいけない」と格下の青コーナーから入場し、自分を鼓舞した。次はシードされているミドル級トーナメント(8月5日、有明)。「オレもバカじゃないから、相手によって作戦は変えるけど、今までは思い切りぶち当たろうという気持ちが消えていた」。野性を取り戻した山本の前に立ちはだかる敵はいない。


 確かにちょっと天狗になっていた部分もあっただろう。初心に戻った時の神の子の力をみてみたいものである。

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