ヒューザーに破産宣告 東京地裁、資産売却し配当へ

sekaimeibamen2006-02-10

ヒューザーに破産宣告 東京地裁、資産売却し配当へ

 耐震強度偽装事件に絡み、東京地裁は十六日、居住者から破産の申し立てを受けていたヒューザーについて、「債務超過と認められる」として、破産手続きの開始を決定した。債務超過額については明らかにしなかった。地裁は破産管財人に瀬戸英雄弁護士を選任。今後は同社の資産を確定したうえで売却し、居住者ら債権者の配当に充てる。この決定により同社は事実上、事業継続ができなくなった。 
 ヒューザーは負債総額は約八十四億円であることを明らかにしていたが、債務超過とは認めていなかった。決定に不服がある場合、同社は二週間以内に申し立てすることができる。
 破産申し立てを受け、東京地裁ヒューザーから意見を聴く審尋を十五日に実施、わずか一日での破産宣告となった。居住者側の代理人弁護士は「ヒューザーの言い分はめちゃめちゃで早期に手続き開始決定が出されると思っていた」と述べた。
 ヒューザーが分譲した九つのマンションの居住者は「居住者に対して瑕疵(かし)担保責任に基づき、少なくとも百三十億円の損害賠償債務を負っており、破産原因がある」と主張し、資産を保全するために先月三十一日、東京地裁に同社の破産を申し立てていた。
 ヒューザーは十五日の審尋で、建築確認を行った自治体や民間検査機関を相手取った損害賠償訴訟の請求額約百四十四億円について「勝訴の見込みがあり、資産として考慮しなければならない。債務超過ではない」と主張していた。
 耐震偽装事件をめぐっては、偽装マンション、ホテルの多くを建設した木村建設(熊本)や、同社子会社の平成設計(東京)などの破産手続きが既に始まっている。