高速船トッピー「クジラ?に衝突」49人負傷…鹿児島

高速船事故 鹿児島

高速船事故で巡視艇から降ろされ、病院へ運ばれる負傷者=鹿児島・指宿港で
 
 9日午後6時ごろ、鹿児島県・佐多岬の北西沖約3キロの錦江湾入り口付近を航行していた鹿児島商船鹿児島市)の高速船「トッピー4」(281トン、赤瀬強一船長、乗員5人、乗客103人)から、「何かに衝突し、多数のけが人が出ている」と第10管区海上保安本部(鹿児島)に118番通報が入った。

 10管によると、49人が負傷し、うち12人は重傷だがいずれも意識はしっかりしているという。

 赤瀬船長は「船左後部の水中翼に何かが当たり、船が前のめりになった。目視では確認できなかったので流木ではなく、クジラのような海中生物の可能性が高い」と話しているという。

 10管は巡視船艇6隻とヘリ2機を派遣。午後8時すぎ、鹿児島県指宿市沖約16キロの錦江湾で、巡視艇「さたかぜ」に重傷者3人を移し、同9時すぎに指宿港へ搬送した。

 また、巡視艇「さつかぜ」も重傷者9人を含む12人を同9時50分ごろ、指宿港に運んだ。鹿児島商船によると、重傷者のうち10人は指宿市内、2人は鹿児島市内の病院に運ばれた。

 一方、トッピーは高速航行ができなくなり、巡視船「せんだい」が引航。午後11時半、指宿港の南約5キロにある山川港に到着し、他の乗客を降ろした。

 鹿児島商船によると、トッピーは午後4時20分、屋久島・宮之浦港を出港し、種子島西之表港、指宿経由で鹿児島港に午後7時20分に着く予定だった。事故当時は全速力に近い時速約80キロで航行していた。

 船にはクジラが嫌がる音波を出す「アンダーウオータースピーカー」を備えていたが、クジラの種類によっては効果がないという。

 海は魔物が住むといわれる。海に出る時は常に師と隣り合わせだという事を覚悟しておかなければならないのではないだろうか。

 予測不可能。これが大海原なのである。

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