<北朝鮮密輸事件>盗難車の対価に覚せい剤…容疑者が供述

覚せい剤

 北朝鮮から大量の覚せい剤が密輸されていた事件で、警視庁など合同捜査本部に逮捕された禹時允(ウシユン)容疑者(59)=韓国籍=が、北朝鮮への盗難車不正輸出事件で04年に福岡県警に逮捕された際、「盗難車の販売代金代わりに北朝鮮から覚せい剤を受け取っていた」と供述していたことが分かった。


 捜査本部は、来週中にも禹容疑者らを覚せい剤密輸容疑で再逮捕し、北朝鮮覚せい剤密売組織について全容解明を図る方針だ。


 ◇現金払い困難で切り替え…
 禹容疑者は04年3月、福岡県内の自動車窃盗グループから盗難車を仕入れ、北朝鮮に輸出しようとしたとした盗品等有償譲り受け容疑で逮捕され、実刑判決を受けた。この事件で禹容疑者は「98〜99年ごろから盗難車を北朝鮮向けに輸出していた」と容疑を認め、「北朝鮮側の窓口は同国に在住している自分の姉の夫で、この義兄から北朝鮮側が希望する車種や台数を聞き、窃盗グループに調達を依頼していた」などと供述していた。


 当初は、車の対価として現金が北朝鮮側から禹容疑者に渡され、この一部が禹容疑者から窃盗グループに報酬として支払われていた。人気の四輪駆動車は1台当たり300万〜400万円、高級セダン車は100万円前後の報酬額だった。


 さらに禹容疑者は「盗難車の代金として北朝鮮から渡される現金は、途中から覚せい剤に変わった」とも供述していた。北朝鮮側に現金払いが困難な事情が生じ、覚せい剤を代金代わりにするようになったらしい。


 禹容疑者は、02年10月、北朝鮮の貨物船「TURUBONG(ツルボン)―1」で運んだ覚せい剤島根県で陸揚げしたとして、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)容疑で逮捕された。捜査本部は、この義兄が北朝鮮内での覚せい剤調達にもかかわっていたとみている。


 禹容疑者は、02年だけでも4回日本に密輸していたことが分かっている。1回につき100〜200キロの大量の覚せい剤を密輸していたとみられており、北朝鮮内に大規模な生産組織がある可能性が高まっている。


 ◇3容疑者を起訴 
 東京地検は2日、長野県伊那市伊那部、無職、禹時允(59)=韓国籍▽東京都板橋区中丸町指定暴力団極東会系組長、宮田克彦(58)▽鳥取県米子市皆生5、遊漁船業、権田修(54)の3容疑者を、覚せい剤取締法違反罪(営利目的密輸)で起訴した。起訴状によると、3被告は02年10月6日ごろ、北朝鮮の貨物船で運ばれた覚せい剤約180キロを島根県で陸揚げした。


 許すまじ悪質犯罪集団。これは外国人だけに言える問題ではないのではないだろうか。外国人犯罪集団の影には日本の犯罪集団の影も隠れているといえるであろう。


 すべて北朝鮮が悪いというものでもない。すべて犯罪者が悪いというものではない。全てはどこかで繋がっているものである。その全てを把握しなければ犯罪を防ぐ事はできないであろう。

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